経済・ビジネス領域教授 橘田正造

グローバルに生きると、何が面白いのだろうか。

橘田 正造の写真 経済・ビジネス領域教授 橘田 正造 青山学院大学経済学部を卒業後、早稲田大学大学院修士課程へ。修了後に海外経済協力基金へ就職。その後国際機関勤務や筑波大教授を経て今に至る。開発途上国の貧困と開発が主な研究テーマ。

これまでの私の仕事

50カ国を超える人たちと交流を深め、経済発展を支援。

橘田 正造の写真私はこれまで海外経済協力基金(現在は国際協力機構)で4カ国の駐在を含め50カ国以上で各国の経済発展を支援する仕事をし、国際金融機関(アジア開発銀行)の職員や筑波大の教授も務めました。長年、アジア、アフリカを中心とした開発途上国への支援に携わり、国際経験を積む中で、私は、初期段階で同じような経済状態にありながら、そこから発展を遂げた国と、そうでない国をたくさん見てきました。なぜ、そのような違いが生まれるか、皆さんと考えたいと思います。

私の授業はここが面白い

支援と開発の成功と失敗。さまざまなケーススタディから議論を深める。

橘田 正造の写真タイの名門国立大学、カセサート大学の付属高校日本語学科を訪れた際の1枚。同学科の日本人教師の方と。

経済発展の成功、不成功にはさまざまな要因があります。政治経済体制、国際情勢、宗教、環境、民族性……。私が担当するある授業では、数々の国別のケーススタディから、開発途上国が本当に求めている開発とは何か、発展とは何かについて皆さんと議論し、考えを深めていきます。また、他の授業では大使を歴任した卒業生や国際的NPOで活躍中の卒業生など国際経験豊かな先輩達を招いて話していただく予定です。皆さんには、そうした実務経験者の話から、「世界の現場」に触れてもらいたいと思います。

受験生へのメッセージ

世界を動かすのは、人々との出会いと感動だということを学ぼう。

橘田 正造の写真海外経済協力基金に入って初の駐在地タイで、地方の貧しい村々に、ため池のような灌漑設備を作る村民参加型のプロジェクトを担当しました。小さな設備なので技術者の指導のもと村人が自分たちの手で作れます。事業が完了した頃、ある村へ視察で訪れたときのこと。ふと気が付くと私は村人全員に囲まれて感謝の言葉を受けました。「私たちが求めているのは自分たちの手で豊かになることです。ありがとう」。村人のその言葉こそが、私の国際活動の原点。世界に出れば、国ではなく、人と人のつながりが全てです。皆さんには、国ごとに異なるニーズを考え、行動できる、グローバル人材に成長してほしいと思っています。